attention!! 途中、少し性的表現が含まれます
恋愛と言う感情は知能を身につけた人間が勝手に、子孫繁栄に伴う一時的感情に名前をつけたに過ぎない
そう、だから他の動物は恋愛なんてしない だって本来 そんなものは存在しないのだから
ありもしない物に名前を付けて 美化崇拝するなんて馬鹿げているにも程がある
よって私は結婚や交際に興味がない が、 男に関心が無い訳ではない
人間という動物として男に関心はある そして 今回その対象が我がレッドフォース号のお頭 赤髪のシャンクスである
「これは、厄介な・・・」
甲板に吊るされたハンモックに揺られながら 晴れ渡った空に目を細める (眩しい・・・)
先ほどからカモメが頭上をくるくると回りながら飛んでいる どうやら私の手にある食べかけのサンドウィッチを狙っているようだ
遠くでクルーの明るい話し声が聞こえる 直射日光を遮るために読みかけの本を顔に被せた (将来シミは作りたくないもの)
太陽の熱で身体はポカポカと温かい 本の下で目を閉じる 視界を遮断すると昨夜の出来事がフラッシュバックする
* * *
「何が駄目なんですか?」
「駄目なもんは駄目だ」
「私のようなタイプは好みではありませんか?」
「、そうじゃない。 まぁ、兎に角・・・さっさと戻って寝ろ」
確かに急な訪問だった 事前にアポを取っていたわけではないし 好意を寄せている素振はとっていなかった
しかし、この船の女クルーはそう多くはない そして 前回の上陸からもう2ヶ月が過ぎようとしている
若い新人クルーなどは この際男でもいいから などと冗談交じりにぼやいているが 若干笑えない
そんな状況で 自分で言うのもなんだがレッドフォース号1の美女である私が 面倒ごと一切なし 一夜限りの相手を申し出たのだ
お頭は船内での恋愛を禁止している訳ではない ならばどこに問題があるというのか 眉間に皺を寄せて背中を睨む
一方お頭は 机に向かって羽ペンを走らせ こちらを振り向きもせず 背中を向けたまま手をヒラヒラと振り 「さっさと戻って寝ろ」 と言う始末
こんな扱いは今まで受けたことが無かった為 女としてのプライドを少なからず傷つけられた と同時に、負けず嫌いな性格に火が点いた
「理由を言って下さい、お頭が断る理由が分かりません」
「・・・一夜限りの相手をするつもりは無いっつーことだ」
「お言葉ですが、お頭が上陸した先で女性に誘われ一夜を過ごしているのを何度もお見受けしておりますが」
「はぁ・・・、それはそれ、これはこれだ」
「はっきり言って下さって結構です、つまり 私ではお相手として役不足であると・・・」
「そうじゃない」
私の言葉を勢いよく遮ったお頭はしばらく黙って そしてやっと此方に振返った
蝋燭一本の明かりしかないこの部屋は影を大きく映し出す 船の揺れと共に蝋燭の火も揺れる 私達の影も揺れる
お頭はその鋭い瞳で私の顔を見つめ 視線を下ろし右手で眉間を押さえ ため息を付いた
「じゃぁ、俺からも聞こう・・・・何故、俺を選んだ?」
「何故って、力が強く容姿端麗、生命力に溢れている・・・女性なら誰しも惹かれて当然でしょう」
「そりゃどーも。 で? 他には?」
「無いですよ?」
「だろ? だから俺は断るんだ」
「意味が分かりません」
「ははっ! じゃぁ分かるようになって出直して来い」
そう言われ 私は首根っこを猫の様に掴まれ 部屋を摘まみ出されたのが昨晩
あれからずっと考えているが答えが見つからない 仲間の女クルーに相談しようにも
断られたことを知られたくないので相談出来ない あぁ 面倒くさい
考えたって分からないものは分からない ならもう諦めよう
きっと欲求が満たされれば お頭に固執することも無くなるだろう
幸いにも 次の島が小さく見え始めている 上陸まで3日とかからない
そこで適当にいい人を見繕ってやれば済む話 話の分からない男は嫌いだ
* * *
「島に着いたぞー!」
「今夜は飲むぞー!!」
「俺はやりまくるぜー!!!」
次々と船から飛び降り 町に走り出すクルー達
いい年をした大人のクルーも この時は子供と同じ
「ホント、海賊の男は元気だけが取り柄よね」 と話しながら最後にゆっくりと女性陣が下船する
本当にその通りだ まぁ いつまでも少年の心を忘れないのは悪いことではないだろう
さて、私も探すとするか まぁ うちのお頭程のいい男は居ないだろうけど
仲間と飲んで食べてのドンチャン騒ぎをし 宴会が落ち着いてきた頃 そろそろと輪を抜け出す
昼間出合った男との待ち合わせ場所に足を運ぶ 牧場で働く彼は健康的な肉体をしていて なかなかの男だった
ほろ酔い気分が丁度いい 夜風を浴びながら公園のベンチで彼を待つ しばらくすると その男が現れ
他愛もない話をしながら彼の暮らす家に上がる 男の一人暮らしの割には綺麗に片付いている
うちのお頭も見習って貰いたい お頭の部屋はいつだって酒瓶が転がっていて 床板には酒が染みこんでいる
ゆったりとベットに押し倒され 優しく頬を撫ぜられた 久しぶりの感覚を体が待ちわびているのを感じる
この男はやっぱり当たりだ 今夜はいい夜を過ごせそう・・・ そう思い、彼に身体を委ね 瞳を閉じた
* * *
「もう、ありえない・・・」
静まり返ったレッドフォース号の甲板で一人寂しくやけ酒をしている私は 本当にありえない
大人らしい落ち着き 引き締まった肉体 女性への配慮 前戯 全てにおいて彼に落ち度は無かった
にも関らず 私のそこは全く濡れなかった もはや不能といわれても仕方が無い程に
そして結局 最後まで至らずに帰ってきた 彼には悪いことをしてしまった・・・
男のこういう事態は耳にはするが 女にもあるのだろうか あるとしたら私もそれなのか
「ちょっと待ってよ〜、まだ23才なのに・・・」
「何のことだ?」
てっきり一人だと思っていた船内で後ろから声をかけられ 驚き振り向いた
そこには 黒いマントを肩にかけた紅い髪の男 シャンクスが立っていた
よっこらせ と言いながら隣に腰を下ろす彼は 珍しく酒瓶を持っていなかった
なんてタイミングの悪さ 今この男と二人っきりになるなんて やっぱり今日はついていない
「・・・・何で、船にいらっしゃるんですか?」
「お前、聞いてなかったのか? 今日の見張り番は俺だって言ったろーが」
「そーいえば、そんなこと言ってましたっけ・・・」
「ちなみに明日はルゥの番だ」
「あ、そうですか」
「で、何が待ってよーなんだ?」
「それはぁー・・・」
こんな格好悪い話はしたくない けれど 話したい気持ちが膨らんでしまうのは やはりお頭の器の大きさ故だろうか
それとも本日二回目の晩酌の所為で酔いが回っているからだろうか 酔うと饒舌になるのは私の悪い癖なのに
隣に座る男を見上げる 無作為に伸びた赤毛が 目にかかる傷跡が 覗く胸元が 何とも色っぽい
硬く結んでいた唇を解き 口を開ける 舌を動かして声を乗せる あぁ 話してしまう 情けない話を
私の駄目なところを 知られたくないのに 知ってもらいたい 何でだろう 分からない
* * *
「成る程なぁ・・・」
一通り話を聞き終えた船長は 無精ひげを撫でながら呟いた
私が飲み尽くした空き瓶が波の揺れによって コロコロと転がり離れていく
「それじゃぁ、この前の意味もまだ分かってないだろ?」
「それとこれが関係しているとでも?」
「あぁ、密接にな」
にやりと口角を上げて笑う船長は どうやら答えを知っているらしい
「知っているなら教えて下さいよ。 あの後、一晩中考えましたが分からなくって」
「んー・・・まぁ、考える努力をしたなら教えてやってもいいか」
「有難う御座います」
「ん。 じゃぁ、まず-----------」
「!!」
突然押し倒され 口を押し付けられた 声を発しようと開けた唇から舌を入れられ くぐもった声を発する
舌先で口内の奥をなぞられ 上唇を甘噛みされ 下唇をペロリと舐められた
「い、いきなり何するんですか!!」
「いきなりじゃぁない、教えて欲しいと言って来たのはだろ?」
「ちょっちょっと! ふざけないで、んっ!!」
突然 シャンクスの右手がの太ももをなぞり 下着に手を這わせる
まだキスしかしていないにもかかわらず そこは十分に水気を帯びていた
もはや役目を果たしていない下着を剥ぎ取り そこに中指を沈める
ツプリ と小さな音を立てて の体はシャンクスの指を迎え入れる
「やっあっ・・・、やめっ」
「なぁ、ちゃんと濡れてるじゃねぇか」
中指での体内を掻き混ぜ 壁を擦り当てる 親指をプクリと突起する芽にグリグリと押し付けると
の声は一層高くなり 中の震えが指越しに伝わった
「あっあっ、だめっ・・・・やぁっ、あぅっ・・」
「駄目じゃねぇだろ? 、今どう感じる?」
「そ、んなっ、こと・・・あっ、わかっ」
「分からない訳ないだろ? 至極単純な答えだ」
そうだろ? と言いながら指を二本に増やし、バラバラに中をかき回しては擦り付ける
ほら、どうなんだ? と耳朶をやんわりと噛まれながら問いかけられれば 腰の骨がぐずぐずと砕けていく
「あっ、んっ・・・きも、ちぃっ」
「じゃぁ、なんでさっきは駄目で今はいいのか、分かるか?」
指の動きをぴたりと止めて問いかける 快楽を失った子宮が余韻に浸って静かに収縮を繰り返す
「はぁ、・・・お頭が器用だから・・・・?」
「んー・・・ちょっと違うな」
「・・・・シャンクスだから?」
「お、近くなった」
「〜〜〜分からない!」
「なら、仕方ない」
そう言うと 待ってましたと言わんばかりの笑顔で 停止していた指を再度動かし始める
急激な刺激にの腰は逃げようとするが シャンクスがそれを許すはずは無く
目に涙をためながら下で善がるに深く指を沈めては攻め立てる
「やっ、だっ、あぁっやめっ」
「この前は抱いて欲しくて部屋まで来たくせに」
「あっ、そ、れはっ」
「ちょっと黙ってろ」
深く舌を絡ませられ 言葉を遮られる ジャラリと刀が床に置かれる音が響いた
シャンクスは片手で器用にズボンを脱ぎ捨て 自身をの中に沈ませた
右手での細い腰を支え上げ 首筋、鎖骨を舌でなぞりながら律動を繰り返す
は白く細い両手をシャンクスの逞しい首に絡め すがる様に喘いだ
「あっ、ん、んっあぅっ」
「はっ、」
「あっあっ、やっぁ」
「心と体は、繋がってるんだ」
「あっあっ、な、にっ言って、あぁっん〜ッ」
「つまり、愛し合って無ければ、いいSEXは出来ないってこった」
下から突きあがる快楽が脳に届く グラグラ揺れて 骨が蕩ける
意識が朦朧とする中で 涙で滲んだ視界に 船長の切羽詰った優しい表情
口元が動いていて何かを言っている様だけど 快楽でふやけた頭では上手く聞き取れなかった
お頭の暖かくて大きな手のひらが頭を撫でるから ゆるゆると瞼を下ろし意識を手放した
最後に聞こえたような気がする 愛してる と
* * *
「大丈夫かー」
「全然大丈夫じゃぁないですよ」
「お前、若いくせに情けないな・・・」
「あのですねー、四皇の一人と比べられても困ります」
シャンクスの部屋でベットに横たわる と の腰を擦ってやるシャンクス
太陽は真上に昇り 海に昼を知らせている 船内は昨日と同様ガラリとしている
船長の部屋はやっぱりアルコールの匂いが立ち込めていて 居るだけで酔いが回りそうだ
シャンクスはの首筋に顔を沈めてキスを落とす 猫っ毛で黒く長い髪を手で梳かす
まるで長年付き合っている恋人同士のような雰囲気に 心地よさを感じてしまう自身に焦る
「お頭、私は恋愛や愛の存在を信じていません」
伝えなければ このまま流されてしまいそうで 慌てて口を開いた
「知ってる」
そう言われて安堵するはずだった 愛を求められても困るから でも 心が軋んだ
「そ、そうですか。 それならいいんです」
そうだ 私は後々面倒な関係は御免こうむりたい はず
「恋人になれとは言わん、唯、俺以外の男とするのは今後一切禁止する」
「・・・・・・・は?」
「その代わり、俺もお前以外の女を抱かない、これならフェアーだろ?」
「確かに条件は平等ですが、何で・・・」
「は今まで色んな男とやってみて、二度目をしたいと思った奴は居ないだろ」
「うっ・・・まぁ」
「でも俺とは良かった訳だ」
「別に私はまだ一言m」
「あれだけ気持ちよさそうにしておいて、何を今更」
「ぐっ・・・・」
言い返すことができず 恨めしそうにチラリと睨めば とても機嫌がよさそうにニヤリと笑うお頭
いい年した大人のくせに 悪餓鬼のような表情が なんとも可愛らしく思えてしまった
「じゃぁ、決まりだ 約束は守れよ」
そう言って再び私に覆いかぶさるお頭 誰もラウンド2を許可した覚えは無いのに
でも昨晩しっかり味を占めてしまった私の体は どうやら二回戦を望んでいるようで
了解、お頭 と返事を返せば 優しいキスが落ちてきた
* * *
お頭の持ち出した約束を守ることで いつかは気づくだろう
愛はきちんと存在すること そして 自分がしっかりと恋に落ちていたことに
全てお見通しのお頭は 隣で疲れ果て寝息を立てる 歳の離れた恋人の白い頬に こっそりと口付けをした
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