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しばらく音信普通だったメロが 真夜中に帰ってきた

ドアを合鍵で開け 玄関に倒れこんできた

慌てて駆け寄ると 火薬と焦げ付いた皮膚の匂い

そして 床に横たわった 浅い呼吸を繰り返すメロ

一緒にハウスで育ってきた私には こんな日が来ることを

頭のどこかで分かっていたから 普通は無いような医療用具も

メロには内緒で 戸棚にびっしり備えておいた



1週間経って ようやく火傷の皮膚に 薄い皮が生まれた

思ったよりも軽い病状に安堵した

メロの包帯を代えていると 腕を引っ張られ

ベットに引きずり込まれ 組み敷かれた

「・・・まだ無理しない方がいいよ」

「もう治った」

一週間ベットに寝たきりで 火傷の熱に苛まれていたメロは

至極渇望したように私を求めた



「っ!!」

メロの背中の半分は薄皮 そこに伸びた私の爪が刺さって

プックリ と血が滲み出た

「・・・だから言ったじゃん」

「素直に謝れないのか」

「自業自得」

「・・・・そうだな」



その言葉は違う意味を持ったかのように 狭く薄暗い部屋に響いた

「嘘 ごめんね」

「分かればいい」

「人が下手に出れ、〜〜っあ・・・んっ」

「何だ?聞こえねーな はっきり喋れよ」

「だってっ、メ・・・やぁっ・・・あぁっ」

満足げに私を見下ろすメロの瞳が追い討ちをかける

堪らなくなった私はまたメロの ひりつく肌に赤い痕 つけてしまった

















(ごめんごめん・・・)